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サメは産まれる前から弱肉強食?

 
 

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映画「ジョーズ」のモデルとなったのはホオジロザメ

 

サメにもいろいろな種類があり、様々な種でいろいろな産まれ方をします。サメの生態については、実はまだわかっていないこともたくさんあります。
 
その中でもホオジロザメはかなり変わった産まれ方をすることがわかってきました。ホオジロザメ(ホホジロザメ)というと、あの映画「ジョーズ」で描かれたとても凶暴なサメです。
 
歯の1本1本が正三角形の形をしており、非常に鋭利になっています。しかも、ノコギリのようにギザギザの歯になっており、生き物の皮や肉を切断することができます。
歯が抜けると何回でも生え変わるという、獲物を食いちぎる能力は圧倒的です。

サメは産まれる前から弱肉強食?

 
サメも魚類なので子ザメは卵から生まれます。
しかし、このホオジロザメの子は母ザメの胎内で孵化するという珍しい特徴を持っています(卵胎生)。つまり、他の魚のように海中に卵を産みっぱなしにはしないということです。
 
海中に卵を産み落とす魚の多くは、非常に多くの卵を産みます。マンボウは3億個の卵を産むと言われています。
ただ、いくら多くの卵を産んでも海中を漂う間に他の生き物に捕食されたりしますので、無事に大人になるのはほんの一握りにすぎません。海中に卵を産むということは、子どもにとって危険な環境にさらされることを意味します。
 
しかし、このホオジロザメでは、母親の胎内で産まれた子ザメは一定期間のあいだ母ザメの胎内(厳密にいうと子宮の中)で守られて過ごすことができます。
大海原の危険地域に出る前に、子ザメは自分で獲物を捕らえるだけの大きさに育っていないと生きていけません。
 
でもお母さんのお腹の中にいると、食べ物に困りますよね。閉鎖空間ですので、餌がありません。栄養を取らないと肝心の体も大きくなりません。
しかし、ご安心あれ。なんとホオジロザメでは子宮ミルクというのを分泌することがわかってきました。サメは哺乳類ではないのですが、このミルクを栄養にすることができるのです。
 
また、子ザメはなんと、胎内にいる間に他の卵を食べて栄養源とすることもわかっています。早く孵化した子はまだ孵化できない弱い兄弟(?)を食べて大きくなるわけです。
 
お母さんのお腹にいて、まだ産まれる前ともいえる段階ですでに弱肉強食の生存競争が始まっているというわけです。
 
ライオンにしろ、ワシにしろ肉食の生き物は強いイメージですが、肉食の生き物は逃げる獲物を捕らえないと生きていけないため実は大変なんですよ。

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